りんごの知恵袋

りんごはどうして赤いのか

 まず、「みかんは黄色、りんごは赤色」とそれぞれのものには、それを連想させる「色」があります。 「りんごは赤い」と思っている方が大方かと思います。確かに「ふじ」や「ジョナゴールド」「つがる」など 良く知られている品種には赤い品種のほうが多いです。 しかし、「王林」や新品種の「シナノゴールド」や「きおう」、「トキ」などといった品種は黄色い色をしています。

 ではなぜ果物や品種によって色がそれぞれ違うかというと、「色素」というのが関係しています。

 「色素」には、赤い色の色素「アントシアニン」、緑色の「クロロフィル」、 黄色の「キサントフィル」などがありまして、それぞれの色素の量加減で色の具合が異なってきます。 りんごに赤い品種が多いのはこの「アントシアニン」が影響しているのです。

 「アントシアニン」の生成には主に4つの条件が必要になります。

まず1つめは「光(日光)」です。

 光の中でも特に紫外線の量が多いとアントシアニンの量は多くなるので、赤い色が着きやすくなります。

 ただし、紫外線はりんごの葉にも吸収されるので、葉が多いと光とともに紫外線の量が少なくなり、 りんごに赤い色が着きにくくなります。そこで、りんごに赤い色をつけるために収穫期が近づいた時の 葉摘みやりんごの重みで下がってきた枝を吊ったり、支柱を入れて樹の内部まで日光を入れるという仕事が大切になってくるのです。

 ただし、各品種によって良い色がつくために必要な光の要求度は異なり、「スターキング」、「紅玉」といった品種は 弱い光で紫外線がなくても赤く着色します。また、「ふじ」、「つがる」といった品種は紫外線を含んだ強めの光を必要とします。

2つめは「糖(ブドウ糖)」です。

 アントシアニンの生成の基になるのは葉でできたデンプンが糖(ブドウ糖)に変化したものです。 従って、葉が病害虫の影響を受けると光合成などの同化作用が低下し、 デンプンの生成が少なくなるので良い色が着かなくなります。ですから葉を健全に保つことが大切となります。

3つめは「温度」です。

 アントシアニンの生成に最も適した温度は品種によって若干の違いはありますが15~20度で、 30度を超えると著しく抑制されます。また、アントシアニンは昼、夜問わず生成されますが、 20度以下の気温というのがキーワードになります。

4つめは「肥料成分」です。

 肥料には「窒素」「リン酸」「カリ」の三要素があってそれぞれ大切な役割を果たしております。

 ただし、それぞれに適量というものがあって「窒素」の量が多いと緑色の色素である「クロロフィル」が増え、 鮮やかな赤色が着かなくなります。ですから、りんごが着色する時期になる前までに りんごの樹が窒素分を使い切ってしまうような量を見極めた肥料管理が重要となっています。

 以上、少し専門的で難しい用語もありますが、赤く色着くためのメカニズムを紹介しました。

ある調査によると、スーパーなどではやっぱり黄色いりんごに比べて赤いりんごがよく売れるそうですが、 「王林」などといった黄色い品種も食味は赤いりんごに勝るとも劣りませんので、是非食べてください。

りんごにまつわる世界のことわざ」でも紹介していますが、 なにごとも見た目で判断しては損することがありますよ。