りんごの知恵袋

アップルペクチンの力

 数年前、大腸菌O-157が問題になりましたが、同じ条件でも感染しない児童もいました。 これについては普段食べている食べ物の違いによるところが大きく影響しているものと思われますが、 O-157に感染した児童の多くは肉食主体だったと推測されています。 肉食主体の食生活では、一見太って見えますが腸の中は腐敗菌が多く繁殖し、 乳酸菌などが少なくなっていて腸が弱ってしまっています。

 大腸癌に関しては食物繊維を多くとる事で予防につながりますし、また、腸の中が綺麗になり、 便秘にもなりにくくなります。そうすると肝臓が丈夫になり、病気になりにくくなる。 要するに免疫力が向上し若々しさが維持できるのです。

 人間が癌になる要因の35%は食べ物によるものです。 なお、タバコも大きな要因ですがタバコに含まれる活性酸素は1年たっても全く減少しません。 りんごに含まれているアップルペクチンはこの活性酸素を抑える力があります ちなみに、ペクチンはゼリーやヨーグルトにも含まれています。 りんごは抗酸化作用と腐敗菌(悪玉菌)を抑える力が果物のなかで最も高いのです。

 1929年ドイツのモロー先生が子供の下痢にすりおろしたりんごを食べさせて治した事をヨーロッパの学会に発表。 あっという間に「りんごすりおろし療法(2日間食べさせる)」が広まりました。

 日本におけるりんごと下痢の研究は、1940年に千葉大学で13個のりんごで下痢を止め、 更にヨーグルトやビフィズス菌などと一緒にとるとなおよいという研究結果が出ています。 また、1951年には東京医科歯科大学で乳幼児の消化不良児の食事療法にもりんごが用いられています 弘前大学では昭和25年頃、りんご果汁に胃液を促し、貧血の治療にも良いなどの研究結果が発表されており、 当時の弘前大学薬局ではりんごジュースが処方箋として出されていたことがあるそうです。 また、昭和35年頃にはアメリカで「Two apple a day.1日に2個のりんごを食べればいい)」といわれたそうです。

 りんごには、血清コレステロールを低下させ、動脈硬化を防ぎ血清中のナトリウムを下げ、 糖質の吸収を抑えるなどの効果があり、最終的に血圧を下げる効果があります。 りんごのペクチンは水に溶けるもので、腸内の善玉菌の発育に有効に働きます(善玉菌のエサとなる)。

 アップルペクチンとシトラスペクチン(柑橘系ペクチン)の 腐敗菌(下痢をおこす菌で黄色ブドウ球菌、リョクノウ菌、連鎖球菌、大腸菌などがある)に 対する抑制効果をみると、アップルペクチンの方がシトラスペクチンに比べてリョクノウ菌、 連鎖球菌、黄色ブドウ球菌の発生及び発育を抑える力が極めて高いという実験結果が出ています。 したがって、子供の下痢などにはりんごが効果的ということになるのです。 りんごを食べると便が早く出るようになり、便のカサ(量)も多くなります。

 近い将来、果物などの食べ物が生活習慣病の予防になるという時が必ず来ます。 果物は薬と違って副作用がでないのも大きな魅力です。

 りんごが癌の転移を抑えるかどうかの実験では、りんごを食べたグループの方が食べないグループに比べて転移を抑え、 また、発生した癌の個数も3分の1と少なくなりました。これは抗癌剤でなくても癌をコントロールできるということです。 昨年6月に世界的雑誌のネイチャーには「皮付き及び皮無し新鮮りんごにおける抗酸化活性」という論文が紹介されており、 皮付きの方が癌の発育を抑えるというデータが紹介されています。

テレビ番組「あるある大辞典」でりんごの効用を紹介した田沢賢次氏(富山医科薬科大学医学部教授)の講演会より